結局みんな一緒

皆、みんな一緒が好きで、みんな一緒が嫌いというだけの話。グラデーションで片付けるのは飽き飽きだけど、不確定性原理のようなものを持ち出したところでうまく使いこなせる気がしない。
自分の悪い側面は、自分の特殊性によってその「悪」の度合いを不明瞭にすることができる。自分の良い側面は特殊性によって価値を高めることができる。その状態に陥った時点で、他者と比較すると不幸にしかならない。ただ、悪い側面、良い側面を自分の中である程度誤差なく客観視しなければいけない。つまり、自己評価と他者評価を合致させながらも、自分の特殊性を信じ続けることが重要である。凡人の頭の中に浮かぶすべては、他の誰かの頭の中にすでに浮かんだもの。それが公になったところで二番煎じということにはならない。自分のやっていることが無意味だと思いながら、それでも何か結果を得ようと気の利いた、と思い込んでいた小手先の研究を行って、いとも簡単に引き裂かれて絶望の淵に立ったような気持ちになって、、そんな人が他にいると思うと、来週から本気出すか。自分は一味違うんだという気持ちを持つ。ここまでの経路をその他の人は全員辿るんだろう。そこまで考えてしまうと、どうせまた同じように堕落して、復活してを繰り返して、締め切り1ヶ月前とかにようやくまとめだして、不完全燃焼で中途半端な感じで終わるんだろうなという予測がつく。高校受験、大学受験はこれでのらりくらりやって成功体験を積んでしまったからだ、今回ばかりはそんな甘くなかった。みたいな考察をして自分の気持ちを落ち着かせて、平凡な人生を送っていく気がする。上澄みだって、無数の分子が含まれていて、その中に珍しい同位体みたいなのも含まれている訳で、自分の目の届く範囲に同様なものが溢れているからと言って平凡と定義してしまったら失礼なのかもしれないけど。
今が幸せなら、それを維持して他のハードルの低いなにかみたいになりたいという気持ちになるのかもしれない。自分の不幸を正当化するために、自分の特殊性（と考えている凡庸なこと）に何かを賭けているだけなのかもしれない。じゃあ、何をすれば良いんだ？特殊なんて存在しないのではないか？いや、誰かにとっての特殊になれば良いのである。特殊は客観的なものになってようやく必要とされる。その特殊の需要をありかを見出すという凡庸な結論。でもこれも主観。自分で特殊であると謳う分にはリスクはそれほどないのかもしれない。需要があれば必要とされるし、なければ気付かされるだけだ。

今日は久々に野良のサウナにいった。ジムのサウナに外気浴が無く、まったく「ととのう」の状態が得られないので、外気浴のあるサウナに行きたいと思っていたのだ。今日は、ジムが定休日である。そうでなければ、会費がもったいないと思うので定休日に行く。
サウナはとんでもなく混んでいた。21時過ぎに入った時は座る場所がなかったので、サウナ室の外で待機していた。出ていったところを見計らって、サウナに飛び込む。室内にはテレビが置かれており、金曜ロードショーのハリー・ポッターが流れていた。サウナで流れる映像として最悪だった。途切れ途切れで見れないし、何より魔法で炎の出るシーンがエアロウリュみたいになっていて熱かった。
ぎゅうぎゅうのサウナで、少しの間隔おきに退出者が出てゆく。上に行くほど熱いので、基本的に上が空くと下にいた人がそこへ移動する。そして、その空いた場所にその下の人か新たに入ってきた人が入る。電子か！とツッコみたくなった。励起した人が外に行き、その空孔に下の人が移動する。それが連鎖して人の流れが生じる。つよいエネルギーが送られる（ロウリュが行われる）と多くの電子が励起して外に行ってしまうのも芸術点が高い。もしかしたら、「ととのう」はここで生じた流れ「人流」に感人することが原因で生じるものなのかもしれない。
あーあ。自分がボーズ粒子だったら好きな場所に座れるのに。
やはり外気浴は格が違う。大学生集団は露天風呂のぬるい湯に浸かってお喋りしているので、椅子に座っているとその会話が耳に流れ込んでくる。私は一人で何をしているのだろう。全く健全ではない。彼らが圧倒的に正しい。マッサージ用のじんつうりきを受けながら、彼らに話しかけられる妄想をし、どのような受け答えをすれば自分が面白い人間だと思われて仲良くなれるかなど考えていた。（それがさっきの電子の話）多分、一緒に来るということから始まっているので仲良くなることは無理という結論に達した。足が寒くなったのでそろそろ中に入ろうと立ち上がると、ここ最近で一番アグレッシブな立ち眩みが生じた。一瞬で重力が変わり、体が地面に叩き付けられる。「やばい、やばい」と小声でつぶやきながら立ち上がり、（予測でしか無いが）集まる視線を感じながら、椅子を洗い流して２回目のサウナへと向かった。立ち眩みもかっこいいと思っている節があることを白状する。片頭痛の次にかっこいい。でも、嘘はつかない。自分がかっこいいと思うためのものでしか無い。あくびしたので寝る。