2024/11/24

今日のメインイベントは友人と「チンチロ」を横浜アリーナに見に行くことだ。
友人は遠方からバスで来る。そう考えると、都心から外れていても東京に住んでいることは、お笑い好きの自分にとってかなり幸せなことなんだと思い知る。本当は余裕を持って横浜を闊歩しようと思っていたが、だらだらと家で過ごしていたら、待ち合わせの時刻ギリギリの電車になってしまった。
約1年ぶりの再会である。その再会の場は中華街となった。ライブ開演は18時なので、少しおそめのランチを中華街で摂ることにしたのだ。
日曜の中華街は初めてだったが、かなりの混雑でろくに前に進めないほどであった。
一人ならその幸せそうな雰囲気を纏った一つ一つに胸を痛めているところだが、今日は友人と一緒である。どこ行こう、どうする?なんていいながら中華街をぐるっと回った。途中で行列の豚まんがあったのでそこに並ぶことに。一個600円の豚まんは流石に美味しい。最近金銭感覚がおかしいので、これに対して高いとかそういう感情が湧かなくなってきた。友人にその話もした。
ただ、中華街にきて豚まんだけでは味気ないので、お店に入って食べることに。
自分がその場でリサーチしたお店の評価が良く、ランチメニューがお得そうなのでその店に向かうことに。お店に入ると2階に案内され、回らなくされた本来回るテーブルに二人で腰掛けた。
メニューをみると、ランチメニューはそこにはなかった。そうか、日曜日だからランチはないのか。そういってパラパラめくると、かなり高級な商品の数々が目に入る。
友人にはリサーチが不足していたことを謝罪し、結局一人前3300円のコースを頼むことに。
ランチで3300円は正直ビビるが、今の自分はそれほど抵抗感はない。ただ、自分のリサーチ不足により友人にそのお金を支払わせてしまうことの罪悪感だけがそこにあった。友人は、気を遣ってなのか、本当に食事を楽しんでいるのか、終始美味しいと言い合いながらコースを平らげた。冷菜、エビチリ、点心、北京ダック、ナッツと鳥の炒め物、チャーハン、陳麻婆、杏仁豆腐。かなりの量で、ここまで本格的に中華を感じたことはなかったので価値のあるいい経験であった。
満腹になったので、暫く歩くことにする。なんなら横浜スーパーアリーナまで歩く勢いで。
彼は歩くのが好きなようだ。わたしも歩くのが好きである。いつも誰かといっしょに遊ぶとなると、めちゃめちゃ歩かせてしまい、申し訳ない気分になる。でも、歩くのが好きな二人ならこんなwin-winな関係はない。色々話しながら歩いた。結局、中華街から横浜駅まで歩いた。流石に開演時間に間に合わないのでここからは電車で新横浜に向かう。
会場は人でごった返している。そして自分もその一人。
座席は遠方の友人に遠慮して一人で申し込んでしまったがゆえに、バラバラの席である。
友人は友人で一度外れて、その後立ち見席のチケットを取得したようだ。
最大の後悔はこれである。変な遠慮は間違った結果しか生み出さない。ほどよく傲慢であれ。
しかし、それぞれ違った視点で楽しむのもまた一興ということで。
10000円のチンチロは迷った末に2人とも購入した。お金は使えるときに使うんだ。
開演ギリギリで別れ、それぞれの席へ。自分の席はかなりいい席だった。つくづく申し訳ない。
チンチロは過去4回ライブが行われていて、自分は初めてチンチロを生で見た。
正直、Youtubeのチンチロは食傷気味かつ動画時間が長くてあまり追えていなかったので、このライブも楽しめるか不安であった。しかし、このライブはとんでもなかった。右肩上がりで盛り上がって、初めてこんなにライブで拍手をした。すごい出目のときは反射的に拍手するもんなんだなと、冷静に自分を分析していた。3時間超の長いライブをチンチロ一つで飽きさせないのがすごすぎる。いろいろ崩壊しても、それを超えるような奇跡的な展開が繰り広げられて、一切冷めることなくライブに熱中し続けた。客層は、お笑いを普段見に来るような人だけでは起こり得ないような雰囲気であった。ライブをおもいっきり楽しめること、客席から人目を憚らずに大きい声を出せること、自分は感心してしまった。ぎゅうぎゅうのライブハウスならまだしも、客席で座っていたり、立ち見場所が区画化されているような状況でこういう事ができるのは、本当にメンタルが強くてすごいと思う。自分は何もわからないが、ああいう声が響き渡って流石に触れないと変な空気になるみたいな場面で、渋々それに触れることになってもちゃんと笑いに変えないといけないのは迷惑っちゃ迷惑な気もする。しかも、それが笑いになったらその野次の手柄だと勘違いするかもしれないし、滑ったら芸人の手腕不足みたいになる。でも、芸人はそんなのお茶の子さいさいなのかもしれない。また無駄なことを考えてしまった。
さぁ楽しいライブも終わりまして(粗品への冒涜)律儀に退場の案内を待っているとぞろぞろと客席から出ていくので、慌てて席を立つ。通る席、通る席にゴミが散らばっていて、こういうのは普通によくないって思っていいよね。拾いたいとすら思ったが、この頻度でゴミが落ちていたらここを拾ったところで焼け石に水だし、見せつけるようなのでもちろんそんなことはしなかった。
出口までの通路はとんでもなく詰まっていて、進もうにも進めない。友人は立ち見席でさっと外に出たようだ。咄嗟の判断で、すぐに外に向かうべきだった。友人を待たせてしまう申し訳なさよ。
これが隣の席なら感想とか言い合いながらゆっくりと外を目指せたのに、とまたも後悔の念が襲ってくる。5分ほど待たせて友人と合流。興奮冷めやらぬも、友人は泊まる宿が見つかっていないとのこと。
自分は新横浜から1本で帰れて、それを知っていて友人は「ここで別れて帰る?」など尋ねてくる。自分は思い切って新宿まで付いていくことにする。友人は明日の朝、新宿のバスに乗るようだ。あまり群れるのが好きじゃないようなので、自分が付いてくるのを不快に思っている可能性もあるが、やっぱり今後会う機会もなかなかないし友人と一緒にいたかったのでついて行った。自分は他人に気を遣わせるプロである。なので、気を遣わせないようにするにはどうすればいいか、それを念頭においた発言を心がける。電車の途中で、「ここで乗り換えて家に帰っちゃってもいいよ」と言ってくれる。自分はもうこの電車乗ったら新宿経由しないと帰れないから、結局新宿は行くことになる、と言う。「なんか申し訳ないわ」申し訳ないと思わせる時点で、だめなのか?これが真意なのか、はたまた本当は嫌でそれを暗に伝えているのか、真意だとしても申し訳ないという感情を持つことが嫌な可能性もある。これがなってはいけないと思っていた「重い人間」ではないか? あわてて、「全然自分は明日何もないし、どうせ家帰ってもコタツで寝落ちして自己嫌悪に陥るだけだから、こうしたほうが自分的には嬉しんだよね」やばい、暗いこと言って更に重い感じになってしまった。
ここで、せいやとイワクラのエピソードを思い出した。イワクラがせいやの部屋を片付けてせいやのことを待っていて、それをせいやが嫌がる、怖がるという話だ。相手に尽くすというのは度が過ぎてはいけないという教訓のあるエピソードである。
自分は彼の宿を一生懸命に探していたが、あまりたくさんの候補を渡すのはよろしくないと考えて、こっそりと探すことにした。結局新宿に着くと、快活CLUBに空きの部屋があったのでそこを予約して一件落着である。遅めの夜ご飯に、自分が1度行ったことのあるカレー屋に行こうとなった。
そこにはまた行きたかったし、友人もカレーが好き(だと信じる)なので好都合である。
もう12時に近いが、そのお店は3時までやっているのでありがたい。自分はバターチキンとロティ、友人はチキンカレーのセットを注文。やっぱりここのカレーは格別に美味しい。ここで、友人に誕生日プレゼントを渡す。(多分)喜んでもらえたと思う。ちょっと荷物になってしまうが、鼻セレブはティッシュ配りをして減らすことが可能だ。
友人のセットには飲み物がついていて、自分は単品注文なので飲み物はなかった。しかし、途中でラッシーをサービスしてくれた。大変ありがたいが、友人は少し多く料金を払ってドリンクを付けているのに、自分が飲み物を無料でもらったら友人が損した気分になってしまうので、これは難しい問題だと思った。一人の時ならストレートに嬉しいけど、考えすぎでしょうか?
罪滅ぼし半分、純粋に食べてほしい気持ち半分でロティとカレーを友人にわけた。(友人もチキンカレーとナンを食べさせてくれた!)自分が最初からセットを頼んでおけばよかったんだ。気を遣わせるプロの自分が単品注文することで、無意識に店員さんに気を遣わせていて、それによってサービスをいただいてしまったのである。でもそんなことは些細な話。最高の夜ご飯を終えて、多幸感にあふれる夜の新宿を友人と闊歩する。新宿西口はまったく人気がない。明日が月曜日ということもあるだろうが。
快活CLUBは既に満室になっていたので、そこで友人と別れる。終電はとくの昔に行ってしまったので、カラオケで一夜を過ごすことにする。700円だと思っていたが、月曜AM0時30分ではなく、日曜24時30分というカウントらしく、休日料金の1650円がかかるらしい。でも仕方がない。
とにかく歌う、叫ぶ。3時間くらいぶっ通しで歌い続けた。流石に喉が痛んで声が出なくなってきたので、購入したチンチロを無心で振り続けた。何百回か振ったはずだが、ピンゾロは1回しか出なかった。アラシ、シゴロもあまり出ず、なぜかヒフミばかり出た。ここで、今日のライブの凄さを思い知った。あんなに役が出るのは確率を超越している。チンチロの音と、隣の部屋の楽しそうな男女の声を聞きながら夜更けを待った。このとき、自分の知らない世界は知らなくて良い気ような気がした。
閉店時間はAM5時。ここまでが休日。充実した一日だった。

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