吐き気を催しながら生きていく
奥歯を削りながら生きていく
眠いふりをして虚無を感じる
ため息でメガネが曇った 価値のないため息
頭が痛いと思えば痛くなるものです
教室の扉はとても重い
ドアノブの擦れる音で右耳の鼓膜が破れました
椅子を引く音で左耳の鼓膜が破れました
なので授業は何も聞こえませんでした
でも自分の声はずっと聞こえていました
自分は何も教えてくれませんでした
暗い気持ちにさせる言葉ばかりを浴びせてきました
なので「死にたい」と言ってやりました
しかし、いつも言っているので信じてくれませんでした
じゃあ逆に「生きたい」と言ってやりました
すると僕がいかに生きる価値がないか、罵声を浴びせてきました
反論しようと思いましたが反論できませんでした(:_;)
外を眺めるとものすごく晴れていました
僕は勝手に曇天だと思いこんでいました
なのでまるで違う世界を見ているような気分になりました
外を眺めていると授業は終わっていました
周りの生徒は誰もいない 抜け殻の教室
僕は抜け殻でした 触るとパリパリと砕け散ってしまうとおもいます
「あ゛ーー」とため息をつきました
ため息は人前ではしないほうが良いそうです
なので一応 もう一回誰もいないか確認しました
誰もいなかったので安心して眠りました
夢の中では芝生のひだまりで寝転がっていました
でも夢の中でもひとりぼっちでした
可哀想な目で学生たちに見られていました
なんでそんな目で見るのか理解できません
せっかく気持ちの良い時間を台無しにされました
なので人のいないところを目指して自転車を漕ぎました
山の奥の方へ、ずっと奥の方へ
汗水を流して坂道をひたすら漕ぎました
相当漕いでひらけた場所が見えてきました
そこで静かに昼寝をしようと思いました
しかし、そこでは沢山の人がBBQをしていました
死んだ川魚が焼かれていました
僕はそこを自転車で突っ切ってそのまま川に飛び込みました
水しぶきの跳ねる音が鳴り響いたことでしょう
ざまあみろと思い振り返ると 誰もこっちを見ていませんでした
楽しそうにマシュマロを焼いていやがる
僕はすねてこのまま死んでやろうと思いました
でも親に遺書を書きたかったので思いとどまりました
またBBQを突っ切るのは嫌なので川を歩くことにしました
自転車を押して下流へと下っていきました
果てしなく川を下っていきました
途中で自転車を捨てて下り続けました
そうして長い時間下った先には真っ暗な深淵がありました
深淵にはたくさんのゴミが溜まっていました
BBQのゴミもそこに流れ着いて溜まっていました
どうせ何かのメタファーなんだろうけどどうでもいいです
そこに飛び込んで死ぬのは嫌だと思いました
死ぬにしても美しく死にたい
すると急に深淵がこっちに向かってきました
逃げようとすると反対からも深淵が近づいてきていました
その時僕は夢で良かったと思いました
でも、夢から覚めたときは現実なら良かったと思いました
こんな面白い経験したら絶対ウケるからです
顔を上げると警備員の方がこっちを見ていました
「あ、すみません。すぐに出ます」
日向ぼっこしたかったのに余裕で日が暮れていた
帰路につくばかり
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