今日の予定は決まっている。
一番の友人(と思っている)の職場を冷やかしに行くのだ。
そして、母親のお兄さんと夜飲みに行くかもしれないという曖昧な予定も入っている。
友人は高校の同クラスかつ同部活だった人で、大学に進学して最も多く遊んだ人である。
大学では友人をただの一人もつくれなかったので、ほとんどこの友人に友人欲を満たしてもらっていた。そんな彼も、学部を卒業して地元で就職する運びになってしまったのでなかなか合う機会を取れなくなってしまった。そんな中、今回私が帰省したという示唆を受けて、職場を冷やかすことの許可が出たので、よろこんで自転車を走らせたというわけである。
自動車免許は持っているが、親が保険がどうたらという常套句を口にして渋るので、タイヤの小さい折りたたみ自転車で、向かい風の中、小一時間かけて2つ隣の街まで馳せ参じた。
友人の職場に着き、「着いたよ」と連絡すると、その数分後に姿を表した。
バリバリ仕事時間なので抜け出して大丈夫なのかと尋ねると、年内仕事最終日で特にやることもなく暇していたとのこと。時間つぶしてるから、終わったら教えてとその場で解散。
隣の図書館で読書しようとしたが、眠くなりすぎて断念。近くのマクドナルドで本を読むことに。
いちごのフラッペを飲みながら本を読んでいると、あっという間に友人の退勤時間に。
職場近くの広場で待ち合わせて、駅まで自転車を押しながら談笑していると、そのまま飲みに行く流れに。
自分にはそういうつもりはなかったが、あまりに自然な流れだったので滞ることなく、飲み屋が多く連ねる駅の反対側まで歩く。そして、串カツ田中に入店。
やはり、金曜日、仕事納めということもあり予約で席が埋まっている。そんななか、見るからに窮屈そうな二人席であれば案内できるということなので、しかたなく受け入れる。特に話すことも無いが、そういうときに会って時間を共有するのも悪くない、というか寧ろ親密の証なんじゃないか、なんて考えながら結局数時間そこに居座った。
友人が頑なにチンチロを拒否していたので、試しに自分が振ってみたら「飲み物倍量、料金も倍量」という最悪な結果になり、いい勉強になった。(少し計算すれば、この結果になる確率が最も高くなることは明らかである)社会人と学生という関係上、「俺は社会人だから、ボーナスも貰ったし」という定型文とともに、奢ってくれるという提案を持ち出してくれた。自分がそれは悪い、と歯切れ悪く断るという困る反応をしてしまったので、3対1くらいの支払いで落ち着くことになった。(気を遣わせない努力は今度の課題である)後出しで、「俺が社会人になったら奢る」「出世払いで」などと言えたのでぎりセーフというカウントにしている。
21時くらいに解散して、スマホを見ると母親からのLINEが。「お兄ちゃんと飲み行くの?」「どこいるの?」
友人と飲んでいた旨を伝えると、また今度ということになった。大変申し訳無いことをしてしまった。
そしてもちろん、飲酒運転になってしまうので自転車を手押しして帰らなければならない。あるいは、自転車をおいて電車で帰るか。しかし、電車は甘えなので手押しで帰ることに。
手押し足漕ぎ、、手取り足取りは親心。帰り道にあるディスカウントストアに寄っていると、母親から連絡が。居場所を伝えると迎えに来てくれることになった。甘えなど関係がない。田舎の夜の寒さと寂寥感に辟易としていたのだ。
折りたたみが幸を奏して簡単に車に積むことが出来た。妹も同乗していて、飲み物を買っていったのだが母親に飲み物を買っていくのを忘れて、気が利かないと指摘された。
久々に嫌な気持ちになった。悔しい。やり直したいことはあるか?と聞かれたら、真っ先にこの出来事が頭に浮かぶだろう。
しかし、この気持ちを考えることで、自分の完璧主義な性格を見直す機会になるかもしれない。こんな些細な過去にこだわってしまうお前の性格は駄目だ、ということを示すために母親は自分が嫌な気持ちになりそうな感じで指摘をしたのかもしれない。そういうことにしよう。
実家は通りに面していないので大変静かで、深い睡眠につくことができる。しかし、敷パットが薄いのなんの腰が痛い。
家のぬいぐるみはふわふわに。
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